そこら中に火種を蒔きちらした 追手は見当違いの部屋を漁ってた 何でもないような顔で街へ戻って 愛しい他人の群れを眺める 性善説論者の君は今日も 何も知らずに笑いかけてくるけれど 世界中に背を向けて 笑顔の隙間に隠し持った牙をとがらせて 冷たい家の中で渇きに耐えて 次の遊び相手を探しているんだ 君に見せたくて 始まりはとても遠い日のことで 退屈だったことしか覚えていない やりたいように生きるには 顔も名前も一つじゃ足りなくて 世界中どこにだって 僕は僕自身と手に手を取ってどこにだって行ける 本当の言葉とかそんなものはとうに どうだっていいんだ ただ楽しみたい 君に分かるかな 僕はいま君の中でどんな顔をしてる そういえばそんな名前で遊んだっけ 膝をついて泣いた姿が見たいなんて そんな願望がこんな形で 叶うなんておかしいね 嗤えやしない 君に名乗ったこの名前だけは最後に 置いて行こう